大地のきずな No. 80
小研究会活動報告
身近なテーマを、タイムリーに取り上げて企画している小研究会。2000年秋には連続して開催し、好評を博しましたした。12月8日にも第3弾として、乳製品について学び体験しましたが、まずはその第1回、2回目のミニ報告です。
9・29 こめの最新情報(32名)
小泉政府の下で発表された農業版の構造改革では、日本の農家を壊滅させる方向が打ち出されています。滝澤昭義氏からは、そうした農業政策の歴史的背景や問題の指摘が鋭く行われました。
また、最近人気を高めている無洗米について、トーヨー食品の市場社長は無洗米の普及が米の消費拡大に役立つことを強調しました。お米の食べ比べやクイズを楽しみながら学ぶ機会となりました。
10・20狂牛病問題を考える(68名)
国内初のBSE発症の混乱の最中、高い関心を集めて開かれました。当研究会の早川治氏からは、海外情報やこれまでの経過が詳しく伝えられ、千葉北酪の梅原組合長は肉牛農家の深刻な事態を報告し、政府の暖昧な対応を批判すると共に、生産者の自立的行動も呼びかけました。情報が錯綜する毎日の中だけに、参加した生産者、消費者、研究者らの熱心な質疑が続きました。
小さな情報
2001.9月~11月
BSE(狂牛病)で要請行動と学習交流
東都生協は関連する生産者・メーカー、消費者団体などと、11月9日に共同行動を行いました。衆議院第一議員会館に集まった総勢約60名は、農水省と厚労省に改めて迅速な対応と適切な救済を求めました。学習会では、早川治氏(当研究会幹事長)が最新事情なども報告しました。
祝・産地のあゆみ、記念の周年刻む
千葉北部酪農協50周年
北酪は今年めでたく50周年をむかえることができました。困難や劇層の時代を乗り切り、消費者の皆さまの期待に添える信頼を築き上げていった諸先輩方の努力の足跡です。
私達は先達の意思を継ぎ、更に発展させ次の50年へバトンタッチしていく責任があります。先輩の築き上げてきた理念を大事に守り発展させていきますので、よろしくお願いします。(参事 渡辺裕)
匝瑳センター30周年
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
自分たちで生産した豚肉と鶏卵を直接販売したいとの思いで始めた産直が今年30周年を迎えます。この間、オイルショック・バブル崩壊等ありましたが、ご理解ある生協組合員の皆さまに恵まれて今日を迎えています。これからも生産者、職員力を合わせ頑張りますので宜しくお願い致します。(代表理事 大木宏)
日本科学者会議東京支部 35周年記念の講座
11月9~11日、一橋大学で開催。「21世紀の食と農と健康は大丈夫か」の分科会では、地球温暖化による農作物への影響、EUの事例に学ぶ食品安全制度、また健康を高める食べ物を考えるなどの研究成果を発表。市民活動を科学的にサポートしていく視点で、有意義な交流が広がりました。
滝澤先生のひとくち栄養学22
朝食にビーフステーキ?
あるテレビの人気番組で、「朝食はビーフステーキだけでいい」、「夜はデンプン質をたっぷりと」という、医学博士X氏のとんでもない「栄養指導」があったので、「それは違うよ」というお話です。
朝・昼・晩3食はそれぞれの役割を持っています。朝食は体温を上げて眠っていた身体と脳を覚醒させ、午前中の活動のエネルギーを供給します。とくに脳は炭水化物をとらないと働きません。ごはんと納豆や卵など良質の蛋白質を十分に摂りましょう。昼食は身体と脳が活動できる状態を維持し続けるためのエネルギー、栄養素を供給します。昼食にこれらの必要な栄養が補給されないと、夕方までに「エネルギー切れ」になってバテてしまいます。
これに対して夕食では、エネルギーとしては翌朝までの基礎代謝量(寝ていても消費される熱量)を補給するだけで十分ですが、寝ている間に一日使い込んだ身体のあちらこちらを「補修」しなければなりません。カロリーよりも良質な蛋白質やビタミンやミネラルなど微量栄養素を含む食事を心がけましょう。
空腹状態で供給するカロリーや、夜寝る前のカロリーは、身体の自己防衛反応で蓄積されてしまう部分が多くなるのです。朝食抜きの夕食ドカ食いは肥満のもとです。
〈参考〉ほとんどの医大のカリキュラムには、基本的な栄養学以外に「食」に関する学科はないのです。だから医者の多くは食の専門家ではありません。